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How una de'?
Uskain nius?
前者はナイジェリアの、後者はカメルーンの挨拶の言葉である。
私たちが挨拶をするときの'look-see'や、
不可能なものに対しての'no can do'という言葉は、中国海岸英語ピジン語(China Coast Pidgin English)と呼ばれるもので、英語ではない。
太平洋の水兵や商人が使っていた言語である。

みんな言語の違う人たちが孤島に取り残されたとする。
私たちのコミュニケーションの手段は、みんながみんな、片言の英語である。
正しい英語を教えてくれる文法書も人も居ない状況も何年かすると、ネイティブの英語話者が聞いても分からないような言語になっているだろう。

母語を共有していない人たちがコミュニケーション取らなければならない時、だれの母語でもない言語、例えば英語やフランス語など、を使用する。
それがピジン語(pidgin)と呼ばれるものである。
ピジンとは、英語'business'の中国語訛りと言われている。
ピジンは一般的に、奴隷や、雇われの労働者や行商人によって用いられる。
世界中から奴隷や労働者が連れて来られた南太平洋の植民地や、
様々な人々が集まるアフリカや太平洋の商業都市で、ピジン語が形成されていった。

ピジン語はかなり簡略化された言語から始まったが
ピジン語を話す両親の子供達が、言語をとして習得していく際に、変革が起きた。
子供達は、母語としてピジン語を習得し、新しい言語へと発展させていった。
このような言語をクレオール語(creole)と言う。
世界には、英語、フランス語、ポルトガル語、アラビア語、スワヒリ語など様々な言語をベースにしたクレール語が、いくつも存在している。

島だけではなく、マイアミやニューヨークの移民の多い町などでも見られる。

世界中に何千万人のクレオール話者がいる。
クレオール語は決して、俗語ではない。新しい言語である。
公用語になっており、文法があり、学校で教えられ、テレビでもラジオでも話され、新聞や小説が書かれる。
ノーベル文学賞作家のウォーレ・ショインカの言語でもある。

クレオール語やピジン語は、英語やフランス語等、元になった言語を知っていれば分かるだろうと考えられるが、実際は異なる。
長い歴史のある言語の話者は、クレオール語を劣ったものとして見なす事がある。
これは全く根拠のないもので、新しい国家と同じように戦いに勝ったものである。
誇りと威厳を持ってクレオール語を話す事は、基本的人権のひとつである。

参考文献
John M. Lipski, "Are pidgins and creoles real languages?"
E. M. Rickerson, Barry Hitton, ed., The 5 Minute Linguist (USA; Equinox Publishing Ltd., 2006)

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