言語地理学(linguistic geography)という分野では、方言の諸要素の刷新を地図上に書き込むと言う試みがなされた。
ジリエロンの『フランスの言語地図』や、ウィンケルの『ドイツ語の言語地図』などである。
これは、一つの地図ではなく、何枚もの地図を合わせてものである。
まず物理的に、国境よりも細かい分割が必要で、全ての記述すべきものを一枚に書く事が出来ない。
さらに、諸要素ごとに境界が異なる事である。
一つの語彙に関して調べるにも、各地の協力者と、かなりの大規模で組織的な調査が必要である。
調べられた要素の、諸特徴の境界線を等言語線(独 lignes isoglosses)、等言語の線(独 lignes d'isoglosses)という。
(シュミットの提唱では、等語線 isogloss)
これは、線を境に異なる特徴を有しているという意味で、言語の細部が異なるだけで、言語の境界線ではない。
誤解を防ぐ為に「等言語素(独 isoglossematiques)」という呼び名を提唱したい。
これらは境界線を表す他に、面も示唆する。
諸要素のいくつかの等言語線は、似たような経路を通るだろう。それらに囲まれた範囲が、私たちが普段認識しているような「方言」となる。
実際には、きれいに何本もの線が重なる事はあり得ない。
一つの要素の等言語線で方言を決めたとしても、他の等言語線がその範囲を二分、三分する事がある。
方言の範囲が無限に細かくなってゆくか、要素の違いを受け入れ、単位のまとまりが維持出来なくなるかである。
方言の存在を定義する為には、極端な考えを受け入れなければならない。
方言となる条件を、一つ以上の特徴が他と異なること、と決める。
あるいは、全ての要素を考慮する為に、ある共同体のただ一点のみに限定し、一点で全体を語ること。
方言の単位の、まとまりを維持するために、方言は村ごとに語らなければならない、小集落ごとに語らなければならないと、さまざまな主張がある。
これらは、人々が定住しているという前提で語っている事である。
参考文献
フェルディナン・ド・ソシュール著 影浦峡、田中久美子訳
『ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート』 東京大学出版会 2007
ジリエロンの『フランスの言語地図』や、ウィンケルの『ドイツ語の言語地図』などである。
これは、一つの地図ではなく、何枚もの地図を合わせてものである。
まず物理的に、国境よりも細かい分割が必要で、全ての記述すべきものを一枚に書く事が出来ない。
さらに、諸要素ごとに境界が異なる事である。
一つの語彙に関して調べるにも、各地の協力者と、かなりの大規模で組織的な調査が必要である。
調べられた要素の、諸特徴の境界線を等言語線(独 lignes isoglosses)、等言語の線(独 lignes d'isoglosses)という。
(シュミットの提唱では、等語線 isogloss)
これは、線を境に異なる特徴を有しているという意味で、言語の細部が異なるだけで、言語の境界線ではない。
誤解を防ぐ為に「等言語素(独 isoglossematiques)」という呼び名を提唱したい。
これらは境界線を表す他に、面も示唆する。
諸要素のいくつかの等言語線は、似たような経路を通るだろう。それらに囲まれた範囲が、私たちが普段認識しているような「方言」となる。
実際には、きれいに何本もの線が重なる事はあり得ない。
一つの要素の等言語線で方言を決めたとしても、他の等言語線がその範囲を二分、三分する事がある。
方言の範囲が無限に細かくなってゆくか、要素の違いを受け入れ、単位のまとまりが維持出来なくなるかである。
方言の存在を定義する為には、極端な考えを受け入れなければならない。
方言となる条件を、一つ以上の特徴が他と異なること、と決める。
あるいは、全ての要素を考慮する為に、ある共同体のただ一点のみに限定し、一点で全体を語ること。
方言の単位の、まとまりを維持するために、方言は村ごとに語らなければならない、小集落ごとに語らなければならないと、さまざまな主張がある。
これらは、人々が定住しているという前提で語っている事である。
参考文献
フェルディナン・ド・ソシュール著 影浦峡、田中久美子訳
『ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート』 東京大学出版会 2007
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