自然に消えた言語がある。
一時代の皇帝として君臨した言語、ヒッタイト語は、サーベルタイガーと同じ道を歩んだ。
アメリカシロヅルのように、世界の言語の多くが、希少で生にしがみついている。これらを保護する事はとても多くの努力を要するが、しかし可能である。
チェロッキー語(Cherokee)は、3,40年前に、それを母語として学ぶ子供達の数が急激に減少し次の世代では無くなってしまう程であった。
しかし、オクラホマ州タレクア の未就学の子供達を対象にしたクラスでは、チェロッキー語による絵本の読み聞かせが行われている。このクラスでは、チェロッキー語のみが使われている。
彼らが3年生になる頃には、流暢なチェロッキー語話者となっているはずある。
幼児の時から高レベルな話者を育てる徹底したプログラムは、アメリカとカナダに住むモーホーク族(Mohawk)の人々、モンタナ州のブラックフット族(Blackfoot)の人々、そしてワイオミング州のアラパホー族(arapaho)の人々などさまざまなネイティブ・アメリカンの部族で行われている。
このような計画の問題点に、露出問題と呼ばれるものがある。
簡単に言えば、言語を聴いた事も見た事も無いのに学ぶと言うものである。危機言語の学習者が流暢な話者となるには、言語と触れる機会が少なすぎる。
成功した古語の再生計画には、この問題への、伝統的で革新的な解法が存在する。
アイルランドで復興したゲール語(Gaelic)、ニュージーランドの公用語となったマオリ語(Maori)、そして、再生されるまでは何世紀も宗教的な目的にのみ使用されてきたイスラエルの公用語、ヘブライ語(Hebrew)がある。
言語復興を続け実現する事は長い年月がかかるが、この20年程で、国際的な運動となった。
アメリカ合衆国での1990年と1992年のthe Native American Language Act、国際連合のユネスコなどの様々な機構と、the Engangered language Foundや、the foundmental for Endangered Language、The Hans Rausing Endangered Language Projectなどの学会が理想を掲げている。
アフリカでは、エイズに関する本が、土着の言語で書かれている。
アマゾンの熱帯雨林に住むヤノマモ族(Yanomama)の人々は、健康衛生に関して自分たちの言語で書かれた本で学んでいる。
シベリアの学校の先生は、ロシアとオランダから来た言語学者の指導を受けて、子供達に現地の言語を教える。
少しでも話者が存在するところで、そして言語を残そうといする土地では、人々は危機に瀕する言語を記録し、分析し、使用しようと働きかけている。
成人の話者が少ししかいないコミュニティーでは、言語を学ぶ若者はなるべくその人達の長い時間を過ごし、日々の仕事をその言語で行う。
もう何年もその言語が話されていない地域では、言語研究者が、聖書と儀式の言葉から口語のヘブライ語を再構築したように、古文書や口承の歴史物語を用いる。
言語復興の試みは複合文化でも用いられている。例えば、アメリカのジョージア州とサウスカロライナ州で話されている、英語とアフリカの言語のクレオール語であるガラ語(Gullah)である。
アメリカでは、アリゾナ州、ハワイ州、カンザス州、ニューメキシコ州、オクラホマ州の大学で土着の言語が教えられている。
これらの努力は、運命に逆らい、言語の消滅をせき止める希望である。
言語学者のケン・ヘールは言語の消滅を「博物館に爆弾を落とす」ことであると言っている。言語が消えると、文化と、知識と、財産と芸術作品が破壊される。
現在存在する言語のほとんどが、22世紀には残っていないだろうという観察に基づく提言がある。私たちが危機に瀕する言語の心配をするのは、これが理由である。
Akira Y. yamada, "25 Can a threatened language be saved?"
E. M. Rickerson, Barry Hitton, ed., The 5 Minute Linguist (USA; Equinox Publishing Ltd., 2006)
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