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子供の言語習得は、喃語(赤ちゃん言葉)を話す以前から始まっている。
胎児が子宮の中で既に、音に対して反応することは明らかであるし、彼らは体内で母親の会話を始終聞いて、生まれたときには母親の声を聞き分けることができる。
最初、言葉はただの音の連続であろうが、子供たちは言語を学ぶ準備が整えられた状態で生まれてくるのである。

生まれてから5ヶ月半もすると、彼らはごちゃごちゃとした音の中から単語を見つけるようになる。一番最初は自分の名前である。
彼らはストレスを手がかりに単語を区別する。例えば、ービングとアットの違い。
もう少したつと、同じストレスの違う単語を区別できるようになる。例えば、ービングとウィルソンの違い。
その次は、他のよく聞く単語を覚える。例えば、ママやパパである。
それらが、音の塊を解読する支えとなる。
(外国語の学習初期も同じような現象が起こる。)
生後6ヶ月には、自分の名前の後ろに続く単語を、認識できるようになると言われている。

単語を認識することができたら次は意味である。
6ヶ月までに、子供は、「ママ」が、自分の母親を指し、他の女の人は含まないと言うことを理解する。「パパ」に関しても同様である。
語彙が増えるにつれて、意味の習得はかなり複雑になってゆく。
しかし、子供は生後12ヶ月までに、単語を物の名前として解釈してゆく。

単語を認識し、いくつかの意味を覚えてくると、次はどのように語が結びついて文章となるかを学び始める。
やっと話し始めるようになる12ヶ月頃には、子供はもうすでに、数百もの単語を理解しているのである。
生後18ヶ月には、5~6単語の文章を理解できるようになっている。

テレビ画面を左右二つに区切り、左の画面には「クッキーモンスターがビッグバードを抱いている」映像を写し、右側には「ビッグバードがクッキーモンスターを抱いている」映像を映す。
それを子供に見せ、「クッキーモンスターを抱いているビッグバードのはどっち?」とたずねる。
すると、まだ話せない子供たちの多くが、右の画面に視線を移すのである。

何もできない子供たちは、まるでスポンジのように言語を吸収してゆく。
彼らは、両親よりも上手く、言語を習得しているのである。

参考文献
Roberta Michnick Golinkoff, Kathryn Hirsh-Pasek, "13 How do babies learn their mother tongue?"
E. M. Rickerson, Barry Hitton, ed., The 5 Minute Linguist (USA; Equinox Publishing Ltd., 2006)

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