How different are grammar and vocabulary?
言語の学習者たちは、語彙を習うし、文法規則も習う。
例えば、フランス語で「緑色の」は'vert'で、「木」は'arbre'である。そして、形容詞は名詞の後に来るので、「緑色の木」は'un arbre vert'である、と習う。
以上のように、語彙と文法は全く異なるもののように思われる。
語彙は単語であるし、文法は、単語と単語を並べるための物である。語彙は辞書に載っているような、特定の項目から成っている。文法は、全ての項目に適用される規則を含んだ、もっと一般的な性質である。
実際、多くの文法規則は、とても広い範囲に適応され、あるカテゴリーの語とその他の語を関係づける方法や、英語の前置詞は動名詞'-ing'に先行するなどの事実などを示す。
規則そのものの焦点は文法構造であり、文法と語彙は遠く離れている。しかし、その他の文法規則は語彙論(lexis)ともっと身近に結びついている。
実際に、多くの言語では、単語の形を変える事で、形態論的にある種の文法の意味を示している。
屈折のシステムは複雑なだけではない。屈折システムは面倒なことに、語彙の細かい分類に依って異なる屈折を用いている。
例えば、ラテン語の'amare(to love)'の三人称単数未来能動の形は'amabit'であるが、'regere(to rule)'の同じ文法機能の形式は'reget'である。この2つの単語は異なる分類なので、異なる形式、あるいは活用をするのである。
英語の法助動詞(modal auxiliary)は10個ある。'can'と'could'、'may'と'might'、'will'と'would'、'shall'と'sould'、そして'must'と'ought'である。
クロアチア語の'braća'(brothers)は、数少ない複数形の名詞の1つである。この単語は形式的には女性単数の形で、複数形の動詞ではなく、女性単数の形容詞と共に用いられる。
文法は、とても語彙と近い存在であると言える。
Grammar of words
規則や規則の焦点ではなく、個々の単語とその文法的な性質を調べても、文法と語彙と近さは明らかだろう。
精神的な語彙目録への典型的な入り口は、意味の特定や使用と並ぶ、構造的な情報の大部分を含むだろう。
まず、語は、文法的な分類に分けられる。
'arbre'は「木」を意味するだけでなく、名詞であり、その他の動詞や形容詞などとは異なるのである。加えて、名詞の中でもまたある種の名詞である。可算名詞なので複数形'arbres'がある。男性名詞に分類され使用される冠詞は'un'と'le'である。
分類は形式的に自明である事もある。イタリア語の'-mente'で終わる単語は多く、様態の副詞である。英語の'-ation'で終わる単語は、動詞から派生した名詞である。
単語の分類とともにはたらく文法はとても複雑である。ある言語では、人称、数、時制、法によって、数十個、または百個にもなる動詞の変化がある。
単語の文法は、ただの単語の属する分類の機能だけではない。語そのものが独特の文法的側面を持つ事が出来る。
不規則変化がそうである。それらは1つの分離を成しているという事も出来るだろう。英語の'penny'の複数形は'pence'で、'lose'の過去形は'lost'である。
形態論のように、統語論も、単語に特有な物である。
英語の''suggest'の後には'-ing'の形が続く。不定詞は続かない。'expect'と反対である。'rely'は目的語の前に前置詞が必要であるが、'trust'は不要である。英語の動詞の過去形は、副詞とは違い、普通'very'と一緒に用いない。しかし、語特有な表現はある。'very love'とは言わないが、'very annoyed'は言う。
実際、巨大な言語データーベース(corpora)の研究に依って、ある言語の全ての単語が、複雑で独特なネットワークと関係性を築いていることがわかった。
品詞のように、明らかに文法的な関係性もある。
連語(collocation)のように、単純に語彙的なものもある。例えば、'sherply different'や'slightly different'は良く言うのに、'hightly different'や'mildly different'とはほとんど言わない。
これらの極端な物の間に、文法と語彙が相互に影響し合い、境界線が曖昧な真ん中があるのだ。
On the frontier
単語は、文法の多くを含んでいる。
多くの文法情報が1つの単語に詰め込まれているために、文法と語彙がほとんど変わらない言語がある。
例えば、トルコ語の'öpüştürüldüler'は、英語の'They were caused to kiss each other'にあたり、フィンランド語の'autostammekin'は英語の'from our car, too'の意味である。
文法と語彙の境界をまたぐのは、形態論上複雑な単語だけではない。
言語は、外の世界の要素を意味するよりかは、言語の内部の事象を調節する、単純な辞書的項目も持っている。
英語は助動詞の'do'を疑問や否定を表すのに用いる。タイ語の'máy'は質問文を作る。日本語では主題、主語、目的、所有の文法項目を表すために、名詞に短い助詞をつける。この助詞は実際、形態論上の屈折と大きく変わらない。
これら機能語の中には、それの持つ文法的機能を示すだけで、ほとんど意味を持たない物もある。
その他は、文法と語彙の境にいるのである。
前置詞は「文法」と考えられるが、明らかに、時間や空間的関係の辞書的な意味を伝えている。
一方では、特定の文脈で意味が薄くなっている。'look after'や'under these circumstances'などがある。
このような用法は言語の発展に共通しており、単語の辞書的な意味が失われ、純粋な文法的機能を帯びる。そして、文法と語彙の境界線の曖昧さとはまた異なる要因である。
Michael Swan, Grammar(UK; Oxford University Press, 2005)
---Oxford Introduction to Language Study Series
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