今回からは、補助記号の解説をしてゆく。
母音にも利用可能な記号も多いので、
あえて子音母音の区別はなくして書く。
二次的調音とは、二重調音とは異なり、
2つの調音位置で同時に発声する方法ではあるが、
その二つに程度の差が現れる発声を言う。
重要な調音位置と、付随的な調音位置の2種類がある時である。
一般的には、主要な調音方法の字母の左側に、
補助記号として、二次的調音位置を記す。
[dʷ]
[kʲ]
[ ʷ ] 唇音化(labialisation)
第一次調音に加えて、唇を丸めすぼめる。
日本古語の「くゎ」「ぐゎ」の発音。
母音に関しては、円唇、非円唇の区別は字母に含まれている。
[ ʲ ] 硬口蓋化(palatalization)
第一次調音に加えて、前舌が硬口蓋に接近する。
硬口蓋音はそれ自体が主要な調音なので、硬口蓋化とは言わない。
日本語ではほとんどのイ段の音に見られる。
「シ」の発音は硬口蓋化しなければ「スィ」である。
他の言語でも、[ i ]の前の子音に多く見られる。
[ ˠ ] 軟口蓋化(velarization)
第一次調音に加えて、口舌が軟口蓋に接近する。
軟口蓋音はそれ自体が主要な調音なので、軟口蓋化とは言わない。
アラビア語や、"dark l"と呼ばれるような母音直後の[ l ]音に見られる。
[ ˤ ] 咽頭化(pharyngealization)
第一次調音に加えて、舌根が咽頭壁に接近する。
咽頭音はそれ自体が主要な調音なので、咽頭化とは言わない。
アラビア語で見られる。
軟口蓋化と咽頭化は知覚的に良く似ているため、両方を特に区別せずに、
字母に[ ~ ](軟口蓋化あるいは咽頭化)を付け、[ ɫ ]などと表すこともある。
参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008
母音にも利用可能な記号も多いので、
あえて子音母音の区別はなくして書く。
二次的調音とは、二重調音とは異なり、
2つの調音位置で同時に発声する方法ではあるが、
その二つに程度の差が現れる発声を言う。
重要な調音位置と、付随的な調音位置の2種類がある時である。
一般的には、主要な調音方法の字母の左側に、
補助記号として、二次的調音位置を記す。
[dʷ]
[kʲ]
[ ʷ ] 唇音化(labialisation)
第一次調音に加えて、唇を丸めすぼめる。
日本古語の「くゎ」「ぐゎ」の発音。
母音に関しては、円唇、非円唇の区別は字母に含まれている。
[ ʲ ] 硬口蓋化(palatalization)
第一次調音に加えて、前舌が硬口蓋に接近する。
硬口蓋音はそれ自体が主要な調音なので、硬口蓋化とは言わない。
日本語ではほとんどのイ段の音に見られる。
「シ」の発音は硬口蓋化しなければ「スィ」である。
他の言語でも、[ i ]の前の子音に多く見られる。
[ ˠ ] 軟口蓋化(velarization)
第一次調音に加えて、口舌が軟口蓋に接近する。
軟口蓋音はそれ自体が主要な調音なので、軟口蓋化とは言わない。
アラビア語や、"dark l"と呼ばれるような母音直後の[ l ]音に見られる。
[ ˤ ] 咽頭化(pharyngealization)
第一次調音に加えて、舌根が咽頭壁に接近する。
咽頭音はそれ自体が主要な調音なので、咽頭化とは言わない。
アラビア語で見られる。
軟口蓋化と咽頭化は知覚的に良く似ているため、両方を特に区別せずに、
字母に[ ~ ](軟口蓋化あるいは咽頭化)を付け、[ ɫ ]などと表すこともある。
参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008
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