接近音(approximant)は、調音方法が摩擦音と似ているが、
気流の摩擦が生じるほど隙間は狭くなく、空気の流れの阻害も少ない。
空気の流れを口の真ん中に作る、中線的接近音と、
口の真ん中に閉鎖があり、両脇を空気が通る、側面的接近音がある。
一般的には、前者を狭義の接近音、後者を側面接近音と称する。
今回は中線的接近音のみ紹介する。
基本的には有声音のみである。
[ ʋ ] 有声唇歯接近音(voiced labiodental approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
下唇と上歯が接近した状態で、発声する。
記号はギリシャ文字のvに似ている。
オランダ語やドイツ語などで見られる。
[ ɹ ] 有声歯茎接近音(voiced alveolar approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌尖と歯茎が接近した状態で、発声する。
記号は小文字のrが、上下逆さになったものである。
英語での語頭の/ r /音に見られる。
[ ɻ ] 有声そり舌接近音(voiced retroflex approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌尖と後部歯茎が接近した状態で、発声する。
英語での語頭の/ r /音や中国語で見られる。
[ j ] 有声硬口蓋接近音(voiced palatal approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
前舌と硬口蓋が接近した状態で、発声する。
日本語のヤ行の発音であり、多くの言語で見られる。
[ ɰ ] 有声軟口蓋接近音(voiced velar approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
後舌と軟口蓋が接近した状態で、発声する。
スペイン語などで見られる。
唇を丸めずに、「わ」をこの子音で発音することもある。
参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008
気流の摩擦が生じるほど隙間は狭くなく、空気の流れの阻害も少ない。
空気の流れを口の真ん中に作る、中線的接近音と、
口の真ん中に閉鎖があり、両脇を空気が通る、側面的接近音がある。
一般的には、前者を狭義の接近音、後者を側面接近音と称する。
今回は中線的接近音のみ紹介する。
基本的には有声音のみである。
[ ʋ ] 有声唇歯接近音(voiced labiodental approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
下唇と上歯が接近した状態で、発声する。
記号はギリシャ文字のvに似ている。
オランダ語やドイツ語などで見られる。
[ ɹ ] 有声歯茎接近音(voiced alveolar approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌尖と歯茎が接近した状態で、発声する。
記号は小文字のrが、上下逆さになったものである。
英語での語頭の/ r /音に見られる。
[ ɻ ] 有声そり舌接近音(voiced retroflex approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌尖と後部歯茎が接近した状態で、発声する。
英語での語頭の/ r /音や中国語で見られる。
[ j ] 有声硬口蓋接近音(voiced palatal approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
前舌と硬口蓋が接近した状態で、発声する。
日本語のヤ行の発音であり、多くの言語で見られる。
[ ɰ ] 有声軟口蓋接近音(voiced velar approximant)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
後舌と軟口蓋が接近した状態で、発声する。
スペイン語などで見られる。
唇を丸めずに、「わ」をこの子音で発音することもある。
参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008
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