忍者ブログ
[27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

参照や発話の力、発話媒体行為の話をしているとき、
私たちは、意味論的な、言語そのものの意味を扱っているのではなく、
語用論的な、発話行為(speech act)で人々が達成した意味を扱う。
音声学や音韻論、統語論など、
今までは言語の中の関係性について話してきたが、
発話行為に言及するときは、
行為の発生の文脈と、言語が使われた外的な状況との関係性が重要である。

文脈は、ありのままの現実であるだけでなく、
重要だと認識される視点である。
言語の使用者は、ある音声学的特徴を取り除くことで、
音素の重要性として音を区別する。
あまり重要なことだ思えないが、彼らもそう思ってはいないだろう。
使用者は現実の構図を投影している。
同じことが文脈に関しても言える。

人々が同一のつながりを作るとき、
彼らの世界と似ている特徴と、
一般の現実として頭の中に築かれたものとを、言語の特徴と結び付けている。
外の世界ではなく、頭の中にある現実の様式をスキーマ(schema)と言う。
文脈とは、スキーマの構造物である。
語用論の意味の達成は、
記号の言語学的要素と、文脈のスキーマの要素の調和の問題である。

Brezil scored just before the final whistle.
"brazil"と言う単語は、熱帯雨林、アマゾン、コーヒーなどを彷彿とさせるが、
なにより、サッカーチームの優秀さで名高い国である。
このサッカーのスキーマが、"scored"や"final whistle"という表現が参照した全ての可能性を導くだろう。

The parson may object to it.
"it"とは何だろうかと考えたとき、まず教会に関係することが思い浮かぶ。
聖歌隊を新たに呼んだり、教会の募金の使い道などである。
このとき、"the parson"の聖職者と言う役割が重要視され、
その他の特徴は無視される。
牧師のどんな特徴が重要視されるかは、
(愛煙家だったり、独身であったり、大学卒業生だったり…)
すべては、"it"が何を参照しているかによる。
スキーマにおいて関係しているものに集中することによって、
話し手も聞き手も同じ文脈と結びついたとき、参照が成立する。

力の達成についても同様である。
この文は、警告になりうると昨日述べたが、
どのようにそんな影響力が推測されるのだろうか。
ある共同体の人たちは、
世界の成り立ちから、発話行為など社会的行動の慣習的方法まで、
共通の前提を持っている。
これは彼らの社会的集団のメンバーとしての文化的アイデンティティーを定義する。
なので、この相互作用の中にいる人たちは、
警告の発話内行為として働く言葉が、どのような状況にあるかを知っている。

つまり、
状況が話し手のコントロールの及ばないところに所属し、
話し手が傍観者としての役割を果たしていると、聞き手が知っているとき、警告となる。
一方、
話し手が、第一人称に感化されており、
第一人称の代わりに話し手がしゃべっていると、聞き手が知っているとき、脅しとなる。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
言語学が大好きな一般人のブログです。 過去の記事は、軌跡として残しておきます。
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
てぬ
性別:
女性
自己紹介:
大学院で言語学を学びたい大学生が、日々の勉強の成果を記録してゆく為の、個人サイトでした。
最新コメント
[07/22 てぬ]
[07/20 ren]
[05/24 てぬ]
[05/22 ゆう]
最新トラックバック
バーコード
P R
忍者ブログ [PR]