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この章では、
派生の接辞による、意味成分の発信の方法について、話してきた。
その次は、語が、どのように意味論的に関係しているかを考えた。
しかし語彙と言うものは、常にひと単語で居るわけではない。
動詞句や名詞句など、ふたつの語の組み合わせで出現することもある。

もちろん語彙も大きな語彙の塊となる。
例えば、一つの形態素からなる"often"と、
複数の接辞からなり形態論的に複雑な"repretebly"を例に挙げる。
この二つの単語は"over and over"や"tome after time"の意味を表す、類義語である。
上の表現のような、決まり文句(formulaic phrase)は、
完成された意味の単位として、一つの語彙のように扱われる。
複数の意味成分が混ざり合わさることなく、
分離した語として表現を見ることが出来ることが特徴である。

このような決まり文句は複合語(compound word)であり、
語の結合としての、統語論的語彙ではない。
"tome ater time"の語は分離しているが、文法的には独立していない。
したがって一つの語彙素として、"time"を複数形にしたり、冠詞を加えたりは出来ない。
これらの語は固い組織の中に合成されてしまているので、統語論は中に入れない。
このような複合語は英語には数え切れないほど存在する。

語彙の配列である連語関係(collocation)は結束が固いが、統語論的に修正されたものも多くある。
しかしそれも限界がある。
語の合成から、結合関係へと移動するところに、
語彙(lexis)と統語法(syntax)との間に不確かだが境界線がある。

意味論は、個別の、形態素や語の単位に意味を割り当てるだけではなく、
それらがどのように結びついたのか
それらどのようにお互いに作用しているのかなど、
形態素や語の関係性を考慮している。
意味論は形態論と語彙と統語論の複雑な相互作用である。
とても複雑だが、全ての意味を網羅してはいない。

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