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「方角」という基準を用いて、"come"と"go"の違いを説明できるとしたが、
これはその他の対立についても、言える事である。
"give/take"、"arrive/depart"、"push/pull"、"send/receive" など。

これらの語の組み合わせは、
行為に共通点があるが、反対の方向性を表わす語である。
これらの性質を反義性(antonymy)という。
これらの語の中で、ある共通の性質を持つ語の組み合わせがある。
"give/take"や"buy/sell"などがそうであり、
これらの語が持つ性質を正反対性(converseness)と言う。
一方が起こると、必ずもう一方が生じなければならない事例である。
つまり、XがYにものを売れば、YはXからものを買わなければならない。
これは「方角」だけの関係ではなく、"above/below"の「場所」や、
"parent/child"といった「相関関係」にもいえる。
AがBの親であるならば、BはAの子でなければならない。

次に、違った種類の反対の意味について、考えなければならない。
"big/small"、"long/short"、"thin/fat"、"far/near" など。
これらは完全に反対の関係であるわけではない。
とある基準と、何かを比べての、違いの程度を示すものである。
大きいネズミは、小さい象と比べたら、小さい。
このような種類の形容詞は段階的なものであると言える。
"very"や"extermely"を加えて強調することができ、
比較級(omparative degree)や最上級(superlative degree)という表現が出来る。
このような語彙は、上記の「方角」に関する語彙も同様に、
範囲の構成要素であることを制限されることは無い。
"happy/unhappy""は段階的であるが、
"male/female"や"married/unmarried"は決して段階的ではない。

"happy/unhappy"と"married/unmarried"を、他の意味関係の例として考える。
昨日の考察では、接頭辞"un-"は明示的意味において、合わさった語と同等である。
つまり、"unhappy"="sad"であり、"unmarried"="single"である。
接辞のついた語は、明示的に反義性が読み取れるが、
二つの語が一つの語に対して、同等な反義性を持っている例はたくさんある。
"sell"に対する"buy"と"purchase"や、
"arrive"に対する"depart"と"leave"である。
これらの語の組合わせが持つ性質を、同義性(synonymy)と言う。

さて、昨日は"come"を[move+self+towards]と分析したが、
意味の素性としての"move"は、数え切れない程の語彙の明示的意味として表れる。
"walk"は[move+on+foot]であると言える。
しかし、"walk"も、意味論的に他の語彙に組み込まれている。
例えば、"march"、"amble"、"stroll"、"tramp"、"stride"などである。
このとき"walk"は上位語(superordinate)であり、その他は従属的な語である。
このような"walk"とその要素を含む他の語彙との関係を、包摂関係(hyponymy)と言う。

この関係は樹形図に似ている。
「動物」は「哺乳類」の上位語であり、「哺乳類」は「げっ歯類」の上位語であり、「げっ歯類」は「ハツカネズミ」の上位語である。
包摂関係の同じ場所に二つの語彙が現れたとき、それを類義語(synonym)と言う。
"amble"と"stroll"がそうである。
この二つは上位語である"walk"に対して同等の包摂関係にある。
これらは、記号の要素としての明示的意味の同等性を対象としなければならない。
ここで言う類義語は、意味論的な関係である。
類義語の意味する範囲を広げると、
コミュニケーションの文脈において実際に使われる語としての機能も含まれてしまう。
それは語用論(pramatics)の範囲である。

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