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英語での基本的な時間的直示は、動詞の時制の選択である。他の言語では時制に寄って異なるたくさんの形の動詞があるが、英語は基本的に2つしか形が無い。例10のa. は現在形、b. は過去形である。

例10
a. I live here now.
b. I lived there then.

現在形は近接の形式であり、過去形は遠位の形式である。例11のa. では、典型的に話し手の現在の状況とは離れていることとして、過去に起こったことが扱われている。しかしすこし分かりにくいが、話し手の現在の状況からすると、絶対そうならないあるいは不可能だと考えられていることも、例11のb. のように過去形が使われる。

例11
a. I could swim(whenIwas a child).
b. I could be in Hawaii(if I had alot of maney).

このようなIF句では、いつも過去形が使われ、例12のように、現実とはかけ離れていることを提示する。

例12
a. If I had a yacht, ...
b. If I was rich, ...

例12のどちらに表現も、過去に起きたこととしては扱われない。話し手の現在とは、直示的に離れていることを表している。加えて、非常に遠いので、実際は否定形も付いてくる。(話し手がヨットを持っていないとかお金持ちじゃないと、示唆しているのだ。)
英語の条件文構造("Had I know sooner"のような形式も含む)を理解するために、時間的直示では、遠くあるいは遠位の形式が、現在の時間との距離を伝えるだけではなく、今の現実や真実との距離を伝えるためにも使われることを、認識しなければならない。

直示と文法
これまでみてきた人間、空間、時間的直示の基本的な特徴は、直接話法と間接話法(伝聞)という、英文法の中でもっとも平凡な構造のなかで働くということだ。既に述べたように、人称代名詞(you)、空間的直示表現(here)、時間的直示表現(this time)は、話し手の文脈のなかで解釈される。例13のa. がそうだ。

例13
a. Are you planning to be here this evening?
b. I asked her if she was plannning to be there that evening.

a. の発話の報告であるb. のように文脈が変化すると、a. の発話は尋ねる状況と直示的に相対となる。a. の例文の近接の表現は、b. では対応した遠位表現に変化している。この、英語でよく見られる伝聞の違いは、話し手の近くは直接話法、話し手からは慣れた表現は間接話法を意味する。直接話法の近接の直示形式は、発話と同じ文脈にいることを伝える。間接話法の遠位の形式は、もとの発話がより離れたものにしてしまう。
直示表現は、語用論のゴミ箱の中から見つかったと言っても驚かないだろう。これらの解釈は文脈に寄り、話し手の意図に寄り、また相対的位距離を表現する。小さなからだと非常に幅広い使用の可能性を与えられ、直示表現は、言われたこと以上の物をいつも伝えている。

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