直示(deixis)は、ギリシャ由来の専門用語であるが、発話で使うもっとも基本的なものである。直示とは、言語によって指示することを意味している。この指示の役割をするどんな言語学的形式も、直示表現(deixis expression)と呼ばれる。未知のものに気付き"What's that?"と尋ねるとき、すぐ近くの状況で何かを述べるために、直示表現"that"を使う。直示表現は指示詞(indexicals)と呼ばれる事もある。それらは、幼い子供に話され、人称代名詞(person deixis)によって人を示し、空間的直示(spatial deixis)で場所を示し、時間的直示(temporal deixis)で時間を示す。これらの表現の解釈は、文脈を共有している話し手と聞き手に依存している。加えて、直示表現は、顔を合わせた会話の交流でのもっとも基本的な使用がみられる。例1のような、その場にいる人には簡単に理解できるが、その場にいない人には翻訳が必要な発話だ。
例1
I'll put this here.
もちろん、ジムがアンネに、予備の家の鍵をキッチンの引き出しに置きながら言ったと理解できる。
例1
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もちろん、ジムがアンネに、予備の家の鍵をキッチンの引き出しに置きながら言ったと理解できる。
直示は明らかに、話し手の文脈と結びついている参照の形式である。それには「話し手に近い」ものと「話し手から遠い」ものの直示表現のもっとも基本的な区別がある。英語では、「話し手に近い」ものあるいは隣接する(proximal)用語は、this、here、nowがある。「話し手から遠い」ものあるいは末端の(distal)用語は、that、there、thenである。nowが、一般的に話し手の発話があるある点や期間を参照していると理解されるように、隣接の用語は、典型的に話者の場所あるいは直示中心(deictic center)から解釈される。末端用語は簡単に、話し手から離れていることを示すが、「受け手に近い」と「話し手と受け手から遠い」の区別を持つ言語もある。それ故、日本語では、thatの翻訳として、受け手に近い「それ」と、話し手と受けて両方から遠い「あれ」そして、話し手に近い隣接の表現「これ」の3つの区別がある。
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