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違反可能な制約のみによって、
最もふさわしい解を導き出し、音韻変化を説明しようと言う考えが、
最適性理論(Optimality Theory; OT)である。
音韻論学者アラン・プリンス(Alan Prince)と
物理学者ポール・スモレンスキー(paul Smolensky)によって1993年に発表された。
言語学は科学であると言う視点から、
普遍性や一般化は最も重要な課題であった。
ある種の緩さによって、それが部分的に可能になったと言える。

まずはOTの書体から説明する。
このような表をタブロー(tableau)と言う。
OTbox.jpg
まず右端には概念としての入力形が書かれる。
横の枠には、働く制約が優先順位で左から記入される。
制約3と制約4の間が破線になっているのは、二つの間に序列が無いことを表している。
最適性理論には中間段階は無いので、下に書かれるのは、可能な全ての出力形である。
アステリスク(*)は、制約違反を示している。複数あれば、より重大な違反であることを表す。
エクスクラメーション(!)は、その違反が、致命的で、
それがあると最適解に選らばれなくなってしまうような重大な違反につける。
出力形の左の矢印(⇒)は、それ最適解であることを示す。
網掛けで灰色のセルは、
その制約が守られていようと、破られていようと、最適解の選択には影響を及ぼさないことを示す。

最適性理論の重要なポイントは、制約は全ての言語に普遍的であるということだ。
諸言語間の相違は、制約の優先順位のみであるとする。

参考文献
田中伸一 『日常言語に潜む音法則の世界』 開拓社 2009
窪薗晴夫 「派生か制約か 最適性理論入門」 月刊『言語』 大修館 1996.04.-06.月号

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