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 自然な日本語を話すには、一語一語のアクセントと、
それが結びついたときに生じるイントネーションの制御が必要である。
日本語は基本的には語末に向かって
基本周波数が小さく、声が低くなる。
常に直後の語を修飾する文章であれば良いが、
日本語は、離れた語を修飾する事も出来る。
この時、発話における基本周波数の上昇(F0 boosting)が生じる。
2d626f08.jpg
もちろん例外もある。

日本語の構造は樹形図に例えられる。
修飾、被修飾の関係が隣り合う場合は、左枝分かれ境界(left-branching boundary)
F0上昇が起こりやすい、修飾被修飾が複数の語をまたぐ場合は
右枝分かれ境界(right-branching boundary)という。
branch.jpg
F0の上昇は折れやすいところで生じるというのがある。
つまり、右枝分かれ境界と左枝分かれ境界の間である。
右枝分かれの連続ではF0の降下がみられ、並列関係でのF0上昇も見られる。

また、副詞と形容詞の左枝分かれ境界において、
「非常に良い」、「相当きれい」といった
程度の大きい副詞とポジティブ形容詞の間にF0上昇が生じ、
「そこそこ良い」、「ふつうにきれい」など程度の低い副詞ではF0上昇が弱まり、
「あまりきれいではない」ではF0下降が生じることが分かっている。

参考文献
匂坂芳典「局所的句構造に基づくF0制御」(2000)
匂坂芳典、グリンバーク陽子、津崎実、加藤宏明
「Prosody generation for communicative speech synthesis」(2005)

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