最適性理論は3つの部門に分かれている。
まずは、生成部門(Generator)で、
入力をもとに、ありうる出力の可能性全てを生成する。
もう一つの、制約部門(Constraint)は全ての言語に普遍的な制約群である。
これらの制約に照らし合わせて、
どの出力の可能性が、どれほど制約違反を犯しているかをチェックし、
より最適な出力を絞り込む部門が、評価部門(Evaluatoe)である。
例えば入力/ pot /に対して、Gen.で作られる出力の可能性は、
[ pot ],[ po ],[ poto],[ ot ],[oto],[ potto ]...などがある。
そして、今まで出てきたような、
語尾の子音の禁止、有声阻害音の連続の禁止などの制約と照らし合わせ、
もっとも最適解である/ potto /が導き出される。
更に付け加えるべきは、
今まで見てきたような*DD制約、*AA制約、*C#制約などは、
有標性制約(markedness constraint)と言い、
話しにくいもの、あまり一般的ではない発音を禁止する制約群に分類される。
制約にはもう一種類あり、それを忠実性制約(faithfulness constraint)と言う。
これは、入力と出力との差が、最小限になるように設定されている制約群である。
忠実性制約群には以下の5つがある。
・Max; use the input maximally 入力にある素性は全部使う。
・Dep; dependancy to the input 入力に無い素性は使わない。
・Ident; realize identically 入力の素性を他の素性に置き換えてはいけない。
・Linearity 入力の素性の順序を入れ変えてはいけない。
・Uniformity 素性を融合させたり、分離してはいけない。
参考文献
田中伸一 『日常言語に潜む音法則の世界』 開拓社 2009
窪薗晴夫 「派生か制約か 最適性理論入門」 月刊『言語』 大修館 1996.04.-06.月号

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