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韓国語は日本と同じように、漢字文化圏であり、
漢語の使用が多い言語である。
表記はハングルに統一されたが、
漢字文化は強く、漢語が多用されているため、近年は漢字の復権の兆しもある。

韓国は日本と同じように、
漢字文化が流入する前は文字が存在しなかった。
といっても、陸続きの文化圏なので、日本と同等に語る危うさは十分にあるだろう。
韓国語では、漢字は、基本的に韓国伝統漢字音という、一字一音であり、
日本語のように訓読み、唐音、呉音、漢音などは存在しない。
いつの時代の漢字音が韓国に伝わったかは詳細には分からないが、
和製熟語も全て、伝統漢字音で読んでいる。

韓国語は日本と同じように系統不明の言語とされ、さまざまな説があるが、
漢字輸入後の借用語に関してはかなり研究が進んでいる。
特に蒙古族や女真族の語彙が多く、日本語にも一部入ってきたのではないかという説もある。
19世紀末の朝鮮開国後には、日本で生まれた西洋思想の漢訳語が積極的に取り入れられる。
現在でも、建築や工業などの専門分野では日本語系語彙の活躍が見られる。

1910年からの日本語の影響は、計り得ない。
日本語と韓国語の二言語政策は途中で放棄され、
日常語として日本語が強要され、公式には、ハングルを見る機会も失われた。

韓国独立後は国語浄化運動が高まり、
一時は完全に日本語が排除されたが、今は生活用品などの名称に日本語が残っている。
”亜米利加”、”仏蘭西”などの表記も廃止し、韓国式の表記に直されたが、
”独逸”に関しては、韓国伝統漢字音でそのまま使用されている。

日本語の排除の動きの反動とも言えるが、
英語やロシア語文法の影響が強くなってゆき、批判の対象ともなっている。
特に、韓国語は日本語と同じように、複数形が必要ではないが、
近年は、無生物や抽象名詞にも、”들(たち)”をつける傾向がある。

参考文献
松本隆 「韓国の外来語辞典にみる日本語系借用語」
『アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター紀要』 2002
金東昭 栗田英二訳『韓国語変遷史』明石書店 2003

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