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最適性理論で用いられる制約には、重要な前提がある。
以前(07/05)中途半端に述べてしまったので、
窪薗の解説に基づき、明らかに述べる。

まず、言語を科学的に語る上ではずせないのが、普遍性(Universality)である。
窪薗の文章の挿絵が、物理学の解説イラストであることが示唆しているように、
言語の普遍性という前提は、良く知られている。
制約の普遍性とはつまり、全ての言語が同じ制約を持っているということである。
制約はすべて、どの言語にも含まれている。
では、何が、ある言語と他の言語を区別しているかというと、制約の序列である。
これを階層化(Ranking)である。
複数の制約の中で、どれを重要視するかによって、言語の出力がことなる。
つまり、重要ではない制約には違反しても良い。
これを違反可能性(Violability)と言う。
全ての制約をきっちり守っていたら、階層化の意味が無いし、
そもそも制約にはもともと、矛盾する制約が存在している。
制約の普遍性を掲げるためには、不可欠な主張である。

生成部門(Gen.)で作られた複数の可能性解を、
制約部門(Con.)に照らし合わせて最適解を導き出す評価部門(Eval.)による選定の作業は、
決められた制約によって行われる。
この適格性制約が、
規則や他のものの干渉を受けないという、内包性(Inclusiveness)の主張がある。
また、この適格性制約の適応による最適解は、
一個ずつ、一段階ずつ判断されるのではなく、全て同時に行われる。
これを平行性(Parallelism)と言う。

この5つの主張は、最適性理論の基礎である。
また、最適性理論が目指すところも、見えてくるようである。

参考文献
田中伸一 『日常言語に潜む音法則の世界』 開拓社 2009
窪薗晴夫 「派生か制約か 最適性理論入門」 月刊『言語』 大修館 1996.04.-06.月号

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