言語に関する現象、もしくは研究対象となるような、
包括的な言語全体とはなんだろうか。
一般的な言語現象とは、すでに抽象化された知識であり、
何を一般化したものであるかを考えなければならない。
かといって、部分の寄せ集めで、全体が出来る訳でもない。
第一段階として、言語に関して個人と社会を分ける事が出来るだろう。
個人に言語活動能力が備わっていると考える事が出来る。
肺や発声器官は、まさに、個人の所有物で、それによる発声は個別的で偶発的である。
言語活動は、一人でも出来る。
しかし、言語は違う。
一人一人に備わった能力は、共同体により行使の手段を手に入れる。
個別の集合以上の、本質的な、普遍的なものである。
つまり、社会的な産物。
言語と言語活動の関係は、音楽に例えられる。
名曲はさまざまな個人によって奏でられるが、作品そのものは、個人とは区別される。
言語は、抽象的な「一人一人の脳に蓄積された財」として存在し、個人の産物ではない。
しかし、作品なき演奏活動が存在しないのと同様に、言語なき言語活動は存在しない。
アメリカの言語学者ホイットニーは、
言語活動ではなく、社会制度としての言語に重点を置いた。
表出が、聴覚イメージであっても、視覚イメージであっても、言語の本質は変わらない。
言語のように、社会に存在する万人に関係し、
いかなる権力を以てしても恣意的に変更出来ない社会制度は、他にない。
そして言語は、記号学的事象に分類される。
これもまた、他の記号に基づく制度と異なっている。
言語は、内在するシステムによって、記号が直接、指し示したい概念を喚起する。
海上の信号や、軍人の合図のラッパ、手話や点字、文字もそうである。
音声だけでなく、これらは似通った変化の法則を示している。
社会的な産物としての言語を、言語学の対象とする限り、
まず、言語学者は、諸言語の研究から始めなければならない。
社会の産物の多様性を研究する。
出来るだけ多くの産物を知ることが重要である。
そして、それらから、特殊や偶然を排し、
一般的で、本質的で、普遍的な、極度に抽象的なものを見出す事が出来る。
その後に、無限の言語活動を生じる、個人の言語使用に関しても述べる必要がある。
個人が社会的な産物を扱うという事が、どういう現象なのか。
前段階で排除した言語の側面を見る。
参考文献
フェルディナン・ド・ソシュール著 影浦峡、田中久美子訳
『ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート』 東京大学出版会 2007
包括的な言語全体とはなんだろうか。
一般的な言語現象とは、すでに抽象化された知識であり、
何を一般化したものであるかを考えなければならない。
かといって、部分の寄せ集めで、全体が出来る訳でもない。
第一段階として、言語に関して個人と社会を分ける事が出来るだろう。
個人に言語活動能力が備わっていると考える事が出来る。
肺や発声器官は、まさに、個人の所有物で、それによる発声は個別的で偶発的である。
言語活動は、一人でも出来る。
しかし、言語は違う。
一人一人に備わった能力は、共同体により行使の手段を手に入れる。
個別の集合以上の、本質的な、普遍的なものである。
つまり、社会的な産物。
言語と言語活動の関係は、音楽に例えられる。
名曲はさまざまな個人によって奏でられるが、作品そのものは、個人とは区別される。
言語は、抽象的な「一人一人の脳に蓄積された財」として存在し、個人の産物ではない。
しかし、作品なき演奏活動が存在しないのと同様に、言語なき言語活動は存在しない。
アメリカの言語学者ホイットニーは、
言語活動ではなく、社会制度としての言語に重点を置いた。
表出が、聴覚イメージであっても、視覚イメージであっても、言語の本質は変わらない。
言語のように、社会に存在する万人に関係し、
いかなる権力を以てしても恣意的に変更出来ない社会制度は、他にない。
そして言語は、記号学的事象に分類される。
これもまた、他の記号に基づく制度と異なっている。
言語は、内在するシステムによって、記号が直接、指し示したい概念を喚起する。
海上の信号や、軍人の合図のラッパ、手話や点字、文字もそうである。
音声だけでなく、これらは似通った変化の法則を示している。
社会的な産物としての言語を、言語学の対象とする限り、
まず、言語学者は、諸言語の研究から始めなければならない。
社会の産物の多様性を研究する。
出来るだけ多くの産物を知ることが重要である。
そして、それらから、特殊や偶然を排し、
一般的で、本質的で、普遍的な、極度に抽象的なものを見出す事が出来る。
その後に、無限の言語活動を生じる、個人の言語使用に関しても述べる必要がある。
個人が社会的な産物を扱うという事が、どういう現象なのか。
前段階で排除した言語の側面を見る。
参考文献
フェルディナン・ド・ソシュール著 影浦峡、田中久美子訳
『ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート』 東京大学出版会 2007
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