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人が語の構造を説明しようとすると、連辞関係を思いつくことが多い。
始めから終わりまで並べられた、複数の語の関係性である。文を形成し、発話に属する。
連合関係は、発話以外の場で、記憶の中に作られるさまざまなグループである。グループは多種多様だが、それらは全て、連合関係に分類される。
連辞関係で括られるグループは現実だが、連合関係によるグループは頭の中にあるもので、仮想である。
 
言語は、この連辞関係と連合関係の両方の領域で機能することが求められる。この2つの関係は互いに還元で来ない。
システムの中で、発話の連鎖に含まれる1つの項は、前後の項との連辞関係に加えて、連合関係にある他の項を連想させる。
 
連辞関係と連合関係において、語という単語が示す対象が異なると言える。
項と言うのが良いだろう。
しかしながら、項も、決して、明確な分節があるわけではない。システムを観察する上で、小さい単位である項から考察してゆく方法はふさわしくない。項は絶対ではない。
システムの観察は全体から始めなければならない。全体が、個別の項と項の関係へと、分解されてゆくのである。
 
フェルディナン・ド・ソシュール著 影浦峡、田中久美子訳
『ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート』 東京大学出版会 2007

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