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これまで述べてきたの8個の調音方法、
破裂音、鼻音、ふるえ音、はじき音、
摩擦音、接近音、側面摩擦音、側面接近音が、
IPAの大きな表(肺臓気流)に記載されているものである。
今回は、この表にはない、欄外の「その他の記号」について述べる。

[ ʜ ] 無声喉頭蓋摩擦音(voiceless epiglottis fricative)
ʢ ] 有声喉頭蓋摩擦音(voiced epiglittis fricative)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
喉頭蓋と咽頭壁で狭い隙間を作り、発声する。
側面的調音は生理的に不可能である。
声帯の振動が無ければ[ ʜ ]、振動を伴えば[ ʢ ]。
カフカスのアヴァール語などに見られ、
アラビア語の咽頭音の変種として見られることもある。

ʡ ] 喉頭蓋破裂音(epiglottis plosive)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
喉頭蓋と咽頭壁で閉鎖、開放を行って発声する。
ここでの有声音、鼻音は生理的に不可能とされている。
摩擦音と同じように、カフカス地方で見られる。

[ ɕ ] 無声歯茎硬口蓋摩擦音(voiceless alveolo-palatal fricative)
ʑ ] 有声歯茎硬口蓋摩擦音(voiced alveolo-palatal fricative)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌端と、歯茎から硬口蓋の広い範囲で狭い隙間を作り、発声する。
ふたつの調音位置で調音するものを二重調音というが、極端な例は別枠で述べる。
声帯の振動が無ければ[ ɕ ]、振動を伴えば[ ʑ ]。
日本語の「し」「しゃ」「しゅ」「しょ」「じ」「じゃ」「じゅ」「じょ」、
韓国語、中国語などでみられる。

ɺ ] 有声歯茎側面はじき音(voiced alveolar lateral flap)
口蓋帆があがり、鼻腔への空気の流れを遮断すると共に、
舌端と歯茎で閉鎖をつくり、
その両脇を軽く弾ませるように調音する。
歯茎側面接近音[ l ]を短く発音したような音声である。
日本語のラ行子音に近く、タンザニアのチャガ語に見られる。
長い" r "を上下逆さまにした記号である。

参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008

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