昨日述べたように、
音の分類は同じ構造環境において現れることが出来るか、に基づいて行われる。
このことは二つの関係性を考えればよい。
同じ環境において現れるという類似性と、
それによって明らかになる相違性である。
今日は以下の例を見てみよう。
/ pɪt / / pQt / / bQ /
これらの単語でペアを作るならば、二通りが考えられる。
ひとつは/ pɪt /と/ pQt / 。母音/ ɪ /と/ ǽ /が、/ p_t /の子音に挟まれた同じ環境において現れている。
もうひとつは、/ pQt /と/ bQt /。子音/ p /と/ b /が同じ/ _Qt /という環境で現れている。
構成要素が、同等な特徴と結合するとき、それを、統合関係(syntagmatic relation)という。
つまり、音という同じ地位の要素/ p /、/ Q /、/ t /が、結合して/ pǽt /という語になる時、
この三つの要素は統合関係にある。
同じような環境において現れることが出来る構成要素が複数あるとき、
それを、連合関係(paradigmatic ralation)と言う。
つまり、/ p_t /という環境に、/ ɪ /、/ Q /、/ ɒ /、/ e /があわられることが出来るので、
この四つの要素は、連合関係にある。
このような分類の規則は、他の地位の描写にも適応できる。
語の単位としての"pat"と"pet"が句(phrase)となるとき、同じ環境において現れる。
the pat/pet the friendly pat/pet that pat/pet that strred up all the trouble
このように、同じ環境において結合することが出来る。
対象となる語は、"pat"と"pet"のように音や文字が似ている必要は無い。
"man" "embaress" "platitude" "face" "match" "approach"...何でも良い。
"the __"、"a __"、"that __"のような環境に現れる語を名詞(noun)と言う。
もちろんこれは一般的な分類であり、結合の可能性の調査によって、いろんな分類がである。
すべての名詞は、冠詞(article)の後に現れることが出来る。
"pat"や"pet"は普通、そのような環境において出現し、
"paternity"や"petulance"のような語は、冠詞がない環境にも出現出来る。
その点において、"pat"や"pet"は可算名詞(count noun)であり、
"paternity"や"petulance"は、不可算名詞(non-count noun)である。
以上のような結合の可能性の分類は文(sentence)になる、区の結合にも適応できる。
The pat was offensive.
の下線部には、限りない数の句と入れ替え可能である。
"The fliendly pat " "The pat on the back" "The pitter patter of tiny feet" .....
これらは"___ was offensive."と結合できるので、統合関係にあると言える。
句内部の構造は異なっているのに、
文構造の構成要素としてはみな同等の機能を果たしている。
言語には二つの軸がある。
音と音、または文字と文字が語になり、語と語が句になり、句と句が文になる、
統合関係(syntagmatic relation)の軸。
とある水準の構造において、異なるものが同等の出現の可能性を持ち、
同等の機能を果たすときの、連合関係(paradigmatic relation)の軸。
この二つの軸が、人間言語の創造性と柔軟性、
有限の手法で、無限の表現を生み出す源となっている。
先日の引用を以下のように書き換えることが出来るだろう。
Everything is paradigmatically associated with something when it fits into the same syntagmatic slot: what is ths associated with?
この問いは、言語の欠片がどのように結びつき、
私たちは、どのようにしたら、異なる欠片を同じ分類の機能として結びつけることが出来るか、ということである。

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