忍者ブログ
[6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

認知とコミュニケーションとしての言語は複雑すぎる。
言語学の目的は、この複雑なものを抽象化することで、
重要な意味があるだろうその複雑なものを、説明することである。

抽象化は、言語学的描写のモデルを構成する工程の一つである。
モデルは、現実から離れて居なければならず、
実際のところ、現実にほとんど似ていない。
言語学だけでない。
物理学の波や粒子のモデルは、現実の経験とはまったく関係がない。
けれどもそれは問題にはならない。
逆に、存在しないものを明らかにすると言う点で、そのモデルには意味がある。

すなわち、存在しない特徴を明らかにする言語学のモデルをつくるのだ。
モデルは、現実の理想化されたバージョンである。
本質と思われる特徴を優先するため、二次的だと思われる特徴は取り除かれる。

案内図のようなものだ。それは現実ではない。
混乱を避けるために、詳細を省いた路線図は、現実とはまったく似ておらず、
駅との間隔もまったく当てにならない。
このような案内図は、地上の道を歩くのにはまったく使い物にならにならないが、
現実の複雑さをまったく反映していないと、文句を言われることはない。
地下鉄での移動のための案内図であり、
そのために必要の無いものは、書いていない。
map.jpg
言語の複雑な領域モデルも然りである。
案内図のように、すべてのモデルは簡略化され特定の分野にて力を発揮する。
他のものを隠す事によって、特定のもの示すようにデザインされている。
全目的のモデルは存在しない。

経験を説明するためにデザインされたのであって、
経験との一致を期待するするべきではない。
真実をすべて捉えようとしたら、それはモデルではなく、ただの地形図だ。

地図作成も言語学も、以下のことを知ることが大切である。
どの縮尺を使うのか、
何を重要とするのか、
どこに、理想化された抽象と、現実の個別なものの線を引くか、を。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
言語学が大好きな一般人のブログです。 過去の記事は、軌跡として残しておきます。
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
てぬ
性別:
女性
自己紹介:
大学院で言語学を学びたい大学生が、日々の勉強の成果を記録してゆく為の、個人サイトでした。
最新コメント
[07/22 てぬ]
[07/20 ren]
[05/24 てぬ]
[05/22 ゆう]
最新トラックバック
バーコード
P R
忍者ブログ [PR]