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ゴールドスミスの提唱した自律分節音韻論のには、
連結線によって、音声と韻律を結びつける条件が提示されている。
これを適格性条件(well-formedness condition)と言い、4つの項目がある。
autosgtn.jpg
①全ての音調支持単位は音調を持つ。
②全ての音調は音調支持単位に連結する。
③連結は左から右の方向へ、一つずつ連結される。
④連結線は交差してはならない。

音調支持単位(tone-bearing unit)
とは、音節や、アクセント核をもつ音の一塊を指す。
音調(tone)とは、音とは切り離された、韻律の変化である。
図ではHとLで表されている。
時間経過は、左から右へと流れて行くので、
この4つの項目は当然と考えられるし、前提ともいえる。
しかし、人間の認識はあまり信用できない。
④の、連結線の交差が起こると言うことは、音のユニットが、時間的に入れ替わることである。
人間は、目立つ音があると、周囲のより弱い音の認識能力が著しく低下すると言われている。
つまり、どの順番で音が発話されたかという知覚は、あまり正確ではない。
「ふいんき」「わずわらしい」「あがらう」「まぎわらしい」などなど、
慣習やいろんな要因によって知覚が惑わされることが多くある。

そして、OCP(obligate contour principle)とよばれる
「隣接するトーン要素は起伏を名なさなければならない(同一音調隣接の禁止)」の制約により、
HHやLLを禁止し、一つのHまたはLから、連結線が1本ないし複数本出る。
これにより、トーンの推移という考えを、
より分かりやすく説明することが出来るようになった。

参考文献
田中伸一 『日常言語に潜む音法則の世界』 開拓社 2009

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