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無標性(unmarkedness)とは、言語にとって基本的かつ一般的な性質であり、
有標性(markedness)とは、複雑で特殊なものを含む性質である。
これは言語の普遍性多様性にとって重要な概念である。

言語未修得の幼児の言葉(喃語)は、どの言語文化でも変わらない。
習得過程において、無標なものから習得し、
より有標なものへと多様性を身につけていくとされる。
幼児の言語獲得などからも、この無標・有標の対立の研究がなされている。
有標なものを含む体系は、通常、無標なものも含む。

虹の例(05/16)を考えると、
「赤」と「青」が無標となる。
つまり、より有標な色「緑」を含む文化では、必ず、「赤」と「青」を含む。
また、「紫」は「黄」よりも有標であるため、
虹の色に「紫」を含む体系は、必ず「黄」を含む、と言える。
同様なことが、母音の体系に関しても言える。
母音の最も無標なものは「a,u,i」とされるため、
より有標な「e」を含む体系には、必ず無標の三つの母音が含まれる、とされる。

例には挙げていないが、
大規模な言語データの調査によると、子音に関しても、
ある音を持っている言語体系は、通常、より無標である音をもっている、と主張することが出来る。

昨日述べた中和(neutrakization)とは、
有標な音が、ある条件化で無標の音となることだ、と言うことが出来る。
したがって青森方言では、語頭では有標音/ N /が、より無標である/ g /へと中和されると言う。

英語では、接辞によって強勢がなくなった母音を、
すべて曖昧母音[ə]で発音するという中和が見られる。

参考文献
田中伸一 『日常言語に潜む音法則の世界』 開拓社 2009

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