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対照言語学の、分かりやすい応用分野は、語学学習である。
翻訳のような、第二外国語の学習は、
既に知っている第一言語(L1)と、
知らない第二言語(L2)のとの、関係性の計算である。
この二つの言語記号の異なる点が、学習を困難にし、
対照分析が、教育プログラムの一環として在ることは、自明であるように思う。

しかしこのような分析の結果は、直接に応用されることは出来ない。
学習者は明らかに、学習の戦略としての翻訳を使い、L2をL1に当てはめているが、
原則に従い、予測出来るようなやり方では、行わない。
言語学上の違いは、学習上の困難の程度ではない。
誤用分析(error analysis)によって築かれた、実際の行為のデータは、
代わりの、論理的説明を必要とする。

一つの可能性は、学習者が、前もってプログラムされた認知課題に従い、
特定の獲得の順序で、言語の特徴を習得することである。
この方法では、異なる仮の、中間言語(interlanguage)の段階を通過する。
中間言語とは、言語習得過程において独特なものである。
第二言語の習得(SLA: second language acquisition)の調査において、
この可能性に関する疑問は、広範囲に及んでいる。

その他の可能性としては、
対照分析で使われている描写の枠組みが、
学習者の言語の側面を記録する為には、あまり精度が高くないと言うことだ。
おそらく学習者は、L1の明らかな形式的特徴よりも、言語経験の特徴に影響されている。
対照分析は、統語論的構造を主に対象としているが、
それだけが言語の特徴ではない。
その他のものと複雑な相互関係を持っている。
学習の困難は、L1とL2の差異に一致するかもしれないが、
差異を認める為にの、もっと洗練された理論と、
談話に重点を置く、もっと広範囲な言語の特徴を扱った理論が必要である。

談話分析は潜在的に、二つの点で、言語教育の問題と関係性がある。
ひとつは、
談話分析が、学習の最終的なゴールと、情報伝達の能力の方法を提供し、
特定の談話、書き言葉、話し言葉で組織された、使用のしきたりに対処するのである。
ふたつめは、
それが、学習の過程を誘発するために教室内に仕組まれた、
文脈を描写する手段を提供することである。
それは、教室の調査の基礎を提供する。

しかしこのような談話分析の関係は、語学指導を制限しない。
社会的精度を維持し、意見をコントロールするための言語の使用方法、
つまり、イデオロギーを表現し、権力の行使の方法を、
調査するために、談話分析は使われる。
批判的談話分析(critical discourse analysis)における調査は、
言語使用の社会的重要性と、政治的な暗示の認知
談話分析は、文学的文脈における解釈、とくに文体論(stylistics)と呼ばれるものの、
言語学的特徴の重要性の認知を発展させた。

これらの場合、
描写が、言語の使用と学習の、特定の関係の理解と関連があることを示す、と言う点で、記述言語学は応用言語学となる。
この使用と学習の関係は、特別な問題となって現れる。
例えば、教養講座の計画方法や、
法廷において言語上の証拠の解釈の方法がある。
これは法廷言語学(forentic linguistics)と言う分野の問題である。

しかし、関係性のその他の懸念は、より、一般的で広範囲に教育的である。
この本は、どのように言語が、完全に現実を満たすのか、
私たちが個人、社会的存在として生きるために、言語がどれほど重要なのか、
と言う疑問から始まった。
言語が何であり、どのように働くかにおいて、不明な点を残しておくことは、
それが剥奪され、不当に利用される危険がある。
言語の操作は、力の操作である。
言語は、言語学者に理解をゆだねるには、人類にとってあまりにも重要である。
私たちが出来る限り、言語を理解する必要があり、
さもなければ、本質的な人間を構成するものを、無視することになる。

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