前回(05/14)述べたように、
日本語のアクセントは、N拍の単語には(N+1)型のアクセントの種類がある。
アクセントがないもの、平板型アクセントを別名、0型ともいう。
アクセントが語尾にずれてゆくにしたがって数字が増え、
尾高型アクセントは、(N+1)型となる。
アクセント結合の規則には二つの種類がある。
付属語結合と、複合単語である。
付属語結合には、付属語によって、大きく4種類の分類がある。
①従属型(タ、ホド)
自立語のアクセント方をそのまま引き継ぐ。
0型の「サガス」につけば、平板型の「サガシタ」、
2型の「オヨ^グ」につけば、そのまま2型の「オヨ^イダ」となる。
②支配型(マス、マイ)
どのようなアクセント型でも、付属語のアクセント方に引きずられる。
「サガス」は「サガシマ^ス」、「オヨ^グ」は「オヨギマ^ス」
③不安全支配型(ラシイ、ノデ)
0型アクセントにつくときは、付属語のアクセントが優先されるが、
それ以外の型(アクセントがある)語につくときは、自立語を優先する。
「サガスラシ^イ」、「オヨ^グラシイ」
④融合型(サセル、ラレル)
不完全支配型と逆で、0型につくときは0型になり、
それ以外の型につくときは、付属語のアクセントが優先される。
「サガサセル」「オヨガセ^ル」
複合単語のアクセントには後部要素によって、大きく2種類の分類がある。
①後部要素が0型
後部要素の最初の拍にアクセントがつく。
二ホ^ン+ダイガク=二ホンダ^イガク
オ^ンセイ+ゴウセイ=オンセイゴ^ウセイ
②後部要素が0型以外
前部要素の最後の拍にアクセントがつく。
カナ^ガワ+ケ^ン=カナガワ^ケン
付属語と複合語の連続は、左から順番に法則が適応されてゆく。
これを巡回的適用則と呼ぶ。
「音声合成技術などで」
オ^ンセイ+ゴウセイ=オンセイゴ^ウセイ
オンセイゴ^ウセイ+ギ^ジュツ=オンセイゴウセイギ^ジュツ
オンセイゴウセイギ^ジュツ+ナド(不完全支配型)=オンセイゴウセイギ^ジュツナド
オンセイゴウセイギ^ジュツナド+デ(従属型)=オンセイゴウセイギ^ジュツナドデ
しかし、長母音や「ん」がアクセント位置にあたるとき、
アクセントが、発音しやすい位置に移動することがある。
これを音節内移動規則という。
0型アクセントをもつ「カナシイ」と、不完全支配型付属語「ノニ」が結合するとき、
「カナシイ^ノニ」となるはずだが、この規則の適用で「カナシ^イノニ」となる。
ト^ウキョウ+エ^キ=トウキョ^ウエキ (*トウキョウ^エキ)
ここでは語のアクセント結合を見たが、
あまりにも語の要素が多くなったとき、複数のアクセントが発生するときもある。
「歩くのではなかったんですか」→「アル^クノデハナ^カッタンデスカ」
「部分的核実験停止条約」→「ブブンテキカクジ^ッケンテ^イシジョウヤク」
これは、あまりにも長いため、文節間のアクセントが作用した。または、
アクセントを優先すべき要素が離れているため、
複数のアクセントが生じてしまっている、と考えることができる。
文節間のアクセント推移はまた後日。
参考文献
匂坂芳典、佐藤大和「テキストからの音声合成を目的とした日本語アクセント結合規則」(1983)
「Some accentual characteristics in Japanere phrase and long compound」(1986)
日本語のアクセントは、N拍の単語には(N+1)型のアクセントの種類がある。
アクセントがないもの、平板型アクセントを別名、0型ともいう。
アクセントが語尾にずれてゆくにしたがって数字が増え、
尾高型アクセントは、(N+1)型となる。
アクセント結合の規則には二つの種類がある。
付属語結合と、複合単語である。
付属語結合には、付属語によって、大きく4種類の分類がある。
①従属型(タ、ホド)
自立語のアクセント方をそのまま引き継ぐ。
0型の「サガス」につけば、平板型の「サガシタ」、
2型の「オヨ^グ」につけば、そのまま2型の「オヨ^イダ」となる。
②支配型(マス、マイ)
どのようなアクセント型でも、付属語のアクセント方に引きずられる。
「サガス」は「サガシマ^ス」、「オヨ^グ」は「オヨギマ^ス」
③不安全支配型(ラシイ、ノデ)
0型アクセントにつくときは、付属語のアクセントが優先されるが、
それ以外の型(アクセントがある)語につくときは、自立語を優先する。
「サガスラシ^イ」、「オヨ^グラシイ」
④融合型(サセル、ラレル)
不完全支配型と逆で、0型につくときは0型になり、
それ以外の型につくときは、付属語のアクセントが優先される。
「サガサセル」「オヨガセ^ル」
複合単語のアクセントには後部要素によって、大きく2種類の分類がある。
①後部要素が0型
後部要素の最初の拍にアクセントがつく。
二ホ^ン+ダイガク=二ホンダ^イガク
オ^ンセイ+ゴウセイ=オンセイゴ^ウセイ
②後部要素が0型以外
前部要素の最後の拍にアクセントがつく。
カナ^ガワ+ケ^ン=カナガワ^ケン
付属語と複合語の連続は、左から順番に法則が適応されてゆく。
これを巡回的適用則と呼ぶ。
「音声合成技術などで」
オ^ンセイ+ゴウセイ=オンセイゴ^ウセイ
オンセイゴ^ウセイ+ギ^ジュツ=オンセイゴウセイギ^ジュツ
オンセイゴウセイギ^ジュツ+ナド(不完全支配型)=オンセイゴウセイギ^ジュツナド
オンセイゴウセイギ^ジュツナド+デ(従属型)=オンセイゴウセイギ^ジュツナドデ
しかし、長母音や「ん」がアクセント位置にあたるとき、
アクセントが、発音しやすい位置に移動することがある。
これを音節内移動規則という。
0型アクセントをもつ「カナシイ」と、不完全支配型付属語「ノニ」が結合するとき、
「カナシイ^ノニ」となるはずだが、この規則の適用で「カナシ^イノニ」となる。
ト^ウキョウ+エ^キ=トウキョ^ウエキ (*トウキョウ^エキ)
ここでは語のアクセント結合を見たが、
あまりにも語の要素が多くなったとき、複数のアクセントが発生するときもある。
「歩くのではなかったんですか」→「アル^クノデハナ^カッタンデスカ」
「部分的核実験停止条約」→「ブブンテキカクジ^ッケンテ^イシジョウヤク」
これは、あまりにも長いため、文節間のアクセントが作用した。または、
アクセントを優先すべき要素が離れているため、
複数のアクセントが生じてしまっている、と考えることができる。
文節間のアクセント推移はまた後日。
参考文献
匂坂芳典、佐藤大和「テキストからの音声合成を目的とした日本語アクセント結合規則」(1983)
「Some accentual characteristics in Japanere phrase and long compound」(1986)
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