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トーン(tone)とは特に、意味の違いを生む音の高低の差であり、
この点で、日本語のアクセントとは異なる。
トーンの高低には二種類ある。
段階的トーン(level tone)は音節ずつが相対的に高低の差を持つもので、
アフリカやネイティブ・アメリカンの言語で見られる。
ナイジェリアでは、同じ音韻でも、高低の違いで、動詞の時制が決まる。
曲線的トーン(contour tone)は音節内での高低の変化が見られるもので、
有名なものは中国語の四声である。
そのほかの言語では、タイ語やベトナム語で見られる。

IPAの記号にも二種類の表記があり、
左側の記号は主に段階的トーンをもつ言語で使用し、
右側の記号は、主に曲線的トーンをもつ言語で使用すると言う慣習がある。
字母を[e]にして例をあげる。

まずは平板トーンである。
ストレスで述べたように、英語のアクセント表記と混同しないように要注意である。
91a7c2ae.jpeg
曲線トーンにも5つしかなく、
特に中国語はこれだけでは表記できない。
中国語学者は独自に、100個近い声調表記記号を作っている。
e77ed0c5.jpeg

参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008

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音節の境界には[ . ]を用いると、二重母音のコラムで述べた。
逆に、リエゾンなどで本来、句や語境界がある音を連結して発音する場合には、
下部連結線[ ‿ ]を用いて表記する。
フランス語では"petit ami"を[ pətit‿ami ]と発音する。

また、語の境界にはスペースを用いる。
「青い空」[a.o.i soɾa]

単語よりも大きい境界、特に、韻脚と呼ばれる区切りには[|]を用いる。
フランス語やスペイン語などの音節リズムや、日本語のモーラリズムと異なり、
英語やロシア語は、ストレスリズムである。
例えば日本語では、「これはリンゴです」は、
「こ/れ/は/り/ん/ご/で/す」と等質な8拍で発音する。
しかし英語では、"this is an apple"を、
音節ごとに、"this/is/an/apple"などと、等質の4拍で発音することは無い。

ストレスリズムは、強弱の連続で、強と弱の組み合わせの繰り返しである。
例えば、強弱弱強弱弱強弱弱....
このような、強弱弱のひとつは韻脚(foot)とよばれ、詩の分野で有名である。
この区切りを、IPAでは、[|]をもちいて表記する。
"This is the boy I met yesterday morning"は
[ ðɪs ɪz ðə|bɔɪ aɪ mɛt|jɛstədeɪ|mɔ:nŋ]、となる。

参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008

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イントネーションとは、アクセントと同じ、音声の高低(振動数)の変化である。
アクセントは一語一語に関係し、同音異義語の区別をする。
イントネーションはアクセントよりも大きい括りの概念で、文頭や文末にかかる。
語彙的な意味の違いには関係しないが、
イントネーションの無い言語は無いといわれ、それ自体に意味があるとされている。
詳しくは日本語のイントネーション(07/09)にある。

特に日本語では疑問と肯定の区別をイントネーションで行う。
IPAではこの区別を斜めの矢印で書き表す。
[ ↗ ] 全体的上昇
「そうですか?(疑問)」[↗ so:udeska]
[ ↘ ] 全体的下降
「そうですか。(了解)」[↘ so:deska]

イントネーションは、
「すごい」、「すっごーい」などの強調とは、また別の現象である。
強調についてはまた別枠で。

参考文献
斉藤純男 『日本語音声学入門 改訂版』 三省堂 2008

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